インテグラル・エコロジーとは――integral ecology?

いのちを活かす(ecology)自然環境(environmental)の危機は、いのちを活かす(ecology)経済(economic)・社会(social)・文化(cultural)・人格形成(human)の不全を含意しており、自然環境の保全はそれら不全の解消・回復なしには不可能である。

傷つきやすいものを気遣い、喜びと真心をもって、被造物と貧しい人や見捨てられた人を思いやり、喜びと寛大な献身と開かれた心で愛に生き、神と、他者と、自然と、自分自身との見事な調和のうちに、自然への思いやり、貧しい人々のための正義、社会への積極的関与、そして内的な平和の間の結びつきの分かちがたさを示した聖人、神秘家、巡礼者アッシジの聖フランシスコを最高の模範と仰ぐ生き方

数学や生物学の言語では言い表せない実在領域への開きを求め、わたしたちを人間であることの核心へと、他の被造物すべてを創造主への賛美へと連れていく道しるべ

存在するものすべてへの知的理解や採算をはるかに超える気遣いのうちに、畏敬と驚嘆の念をもって自然や環境に向かい、世界とのかかわりにおいて友愛や美のことばを絶やさず、飽くことなく当面の必要を満たそうとする支配者、消費者、冷酷な搾取者の態度と決別し、現実を利用や支配の単なる客体におとしめることを拒絶する貧しさと簡素さを、自らの行動を決定づける選択の証しとする、自身を取り巻く世界に対する応答

創造主という考えを固く拒絶したり無意味なものとみなしたりする人、人類の十全な発展に対して宗教がなしうる豊かな貢献を不合理なものとして捨て去る人、宗教をたかだかサブカルチャーの一つとしてしか認めない人が現に存在する中で、科学と宗教がそれぞれに独自のアプローチで現実を理解しつつ、双方に実りをもたらす中身の濃い対話に入ることを可能にする信仰者たちの確信

神の道具となって、事物の中に神がお刻みになった可能性を引き出す使命を与えられた人間の、園を保全する(「守る」)ばかりでなく、より実り豊かなものとする(「耕す」)労働の価値を認めつつ、被造世界を賢慮あるしかたで発展させる(「造られたこの世界の調和を固く保つ」)被造世界のケアの最良の道

危機の人間的側面と社会的側面を明確に取り上げ、密接に関係し合っている地球規模の危機のあらゆる側面を考慮させ、また、この世界が無償で与えられ、他者と分かち合うべき贈り物であることとの自覚のうちに、効率性と生産性をただただ個人の利益のために調整する単なる功利的視点で現実を眺めず、わたしたちがいただいたこの世界は後続世代にも属するものゆえに、世代間の連帯は、任意の選択ではなく、むしろ正義の根本問題であると受け止めさせる、社会倫理を統一する中心原理である共通善の概念と不可分の、広範な展望

自分の身の周りのことを何もかも粗雑に扱うよう急かされながら、猛烈な活動へと駆り立て多忙さを感じさせる深刻な不安定さのただ中で、被造界との落ち着いた調和を回復するために時間をかけるよう、わたしたちのライフスタイルや理想について省みるよう、そして、わたしたちの間に住まわれ、わたしたちを包んでいてくださる創造主を観想するよう促しながら、人生についてのより深い理解と、驚く力を伴う調和あるライフスタイルを涵養する心の平安の保持・強化

消費の肥大化によってあらゆる形態のいのちが虐げられる世界にあって、優しいことばをかけ、ほほえみ、平和と友情を示すささやかな行いのあらゆる機会を逃さず、暴力や搾取や利己主義の論理と決別する日常の飾らない言動を積み重ねる、愛の小さき道の実践